


2022,10/朝日岳~煙草屋旅館~茶臼岳
20代のときに購入した秘湯温泉雑誌。一つひとつ潰していくことが些末なライフワークになった。煙草屋旅館温泉は山に素人でなかなか叶わなかった。そんなとき、あるコミュで煙草屋旅館宿泊の文字を見つけて、主催者に素人でも?と照会、快い返事をもらい登山靴を購入する。それだけで十分だと思っていたら、日程が近づくにつれ、レッグカバーとか、ヘッドライトとか・・・。なんとなく不安になったものの、現地までの交通費は分担、すでに応募は締め切られていて迷惑はかけられないと観念する。
当日、両国駅前に集合すると、ジマと名乗る女性から、「アンタ、ほんとに初めて?」と訝がられる。そして、東京は晴天でも、現地は荒天が予想され、「私なら止める」とも。
高速道路で事故があり、かなりの時間を浪費する。現地に着いたとき、管理人、私はカップラーメンを用意し始めたが、一人の女性が「止めてください」と。それでも、こんなに空腹なのに、と続けようとすると、さらに「止めてください」とさらに強い口調。管理人は、なんら、言い返さない。ジマ氏は優しくも膝痛のある私にストックを貸してくれた。
朝日岳に近づいたとき、風が吹き出し、雪が降り始めた。30mはあると一人が言う。頂上に向かう途中、すれ違う人からは「これから?」と。やはりキャンセルすべきだったと後悔が。頂上に着いても、霧か雲かで何も見えない。ただ寒いだけ。管理人は寒さで震え出し、遅れ始める。
雨で土は緩み、下山しているとき足をすべらせ、ストックがグニュッと曲がった。元に戻らないものか、何度か試してみたが、そんな簡単なものではなかった。
念願の温泉はぬるく、眼前に広がる山並みにも色あせて見えた。
ケーブルのある茶臼岳で観光客がひしめくのを後にして、帰途についた。車中、ジマ氏は新しい物を買ってもらうんだと幾度となく繰り返す。石井スポーツにしか売っていない品物で、店舗が少ないなかで、管理人からは宇都宮でジマ氏と下車するようにとサジェスション。他人のことなど考えない人なのだと分かり、申し込みの段階から適当な返事しかしていなかったのだと合点する。コミュを主宰すべき人ではないと思った。私は金銭での賠償を申し出て、言われるままに13,000円を支払った。「詳しい額は忘れたが、13,000円はした」と何度も繰り返された。
帰宅してから、私を映した画像を送ってもらおうとジマ氏に連絡を試みたが、すでにコミュだけでなく趣味人というサイトからも退会していた。不思議に思った。
それから、2年ばかり経ち、テレビで低山歩きの番組を見て、低山なら、と思い立ち、他のコミュのイベントに参加した。下山してから、また再び、と思い、ストックを直して使えないものかと石井スポーツに照会した。
返答があった。今は製造中止で修理は不可能。販売当時の価格は8,900円。
ただの記憶違いなら、コミュまで止めることはしないだろう。人は自分に嘘はつけない。たった4,000円のために、と思う。ストックを貸してくれた優しい心とどう折り合いをつけてゆくのか、
もし機会が有れば訊いてみたいものである。
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