ブラームス Brahms


ブラームス Brahms

初めて、ブラームス交響曲第1番を聴いたとき、大地が揺れ動くかのような感動を覚えた。作曲に17年という年月が費やされたこと。私に「文学」を教えてくれた「暗夜行路」が執筆にやはり17年かけられたという偶然に何かの因果を感じるとともに、一つのことに向き合うということの重さと意味を感得した。

ところが、耳が肥えてしまったのか、それから長い間、ブラームス交響曲に感動するという経験に恵まれないでいた。

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カラヤン、美しいのは表面だけ

小澤征爾、オケは纏まっているけど深みが感じられない

フルトヴェングラー、指揮者C、解釈しすぎ、等々

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以上は私の個人的印象であることは言わずもがなだが、ブラームスに関してはしっくりする演奏とは出会えないでいた。また、gefällt mir sehr gutとお気に入りの演奏との出会いを求めていたことさえ忘れていた、あるとき、パソコンを打っていた指が止まった。

ギュンター・ヴァント指揮、東ドイツ放送交響楽団 ブラームス,Nr.3,へ長調,Op.70,

演奏は繊細で、音と音とが響き合って、しかも、ダイナミック。ブラームス本人でさえ、このように華々しく演奏されるとは想像していなかったのではなかろうか。指揮者は作曲者の意図を汲むではあろうが、楽曲がそれ自体、独立したものになるとするなら、それはそれで有りではないか、と思った。

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これは保存、と決めたが、愚かなことに他の曲目と勘違いして、消去してしまった。

しばらく、残念な思いでいたとき、再放送のあることに気づき、器材をセット。

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再放送当日、 ブラームス ピアノ三重奏曲 第一番 歌曲、フィッシャー・デイスカウ と進み、

当の、交響曲第3番が流れ始め、佳境に入ったとき、

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緊急地震速報です、

・・・・ 物事がうまく進まないということはあるものである。

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ブラームス交響曲 Nr.1は綿密に構成され、

Nr,2は春を思わせるような軽快感に満たされ、

Nr.4には憂愁が漂う

そんななかで、これといったテーマが感じられないNr.3でブラームスを満喫できるとは思わなかった、

意外な出会いとなった。

また、いつか機会があることを強く願った

※交響曲第一番作曲には、実際は21年の年月が費やされたことを後になって知った。

                            2024,03,21


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